ファッション雑貨
化粧品・健康美容雑貨品の媒体点検
金曜日, 3月 15th, 2019化粧品、健康美容雑貨品などの広告には、消費者に誤った認識を与えないよう、従来から法規制や広告基準が設けられてきました。近年、それらの改正が重なり、各業界団体でもガイドラインの新設や見直しが行われています。
しかし、内容が非常に複雑な上に判断が難しく、当研究所には、「関連法規に抵触する恐れのある表現がないか確認してほしい」という相談が増えています。
1.関連法・広告基準の改正
●平成26年11月25日 薬事法が改正され「医薬品医療機器等法(薬機法)※1」となる。
●平成29年 9月29日 「医薬品等適正広告基準※2」改正。
●平成30年 6月7日 打消し表示※3についての「景品表示法(景表法※4)」上の留意点が明文化され、監視が厳しくなった。
※1 薬機法
医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の、品質・有効性・安全性の確保等を目的とした法律。虚偽誇大な広告を行うことでヒトの保健衛生に悪い影響を与えないように、広告についても「第66条:虚偽・誇大広告等の禁止」や「第68条:承認前医薬品等の広告の禁止」等で規制されている。
※2 医薬品等適正広告基準
薬機法上の広告規制である「第66条:虚偽・誇大広告等の禁止」に基づいた、適正な広告を行うための基準。対象は医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品。
※3 打消し表示
商品やサービスについての強調的な表示に関する条件・例外等を付記したもの。「シワをなくすファンデーション!」という強調表示に関する「※メーキャップによる物理的効果です。」という注釈等がこれにあたる。
※4 景表法
嘘・大げさ・紛らわしい等、消費者を騙すような不当表示と、本当に良い商品・サービスなのかが分からなくなるような行き過ぎた景品を禁止する法律。
これらの改正に伴い、各業界団体のガイドラインもより厳しく見直されています。
■見直されたガイドラインの例
化粧品等の適正広告ガイドライン2017年版(2017年見直し)
https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20170906_ADguide.pdf
2.媒体点検の事例
当研究所では、化粧品、健康美容雑貨品の広告上の表現が薬機法や景表法等に違反していないか、それらを熟知した専門家が確認し、必要に応じて適切な広告表現への変更をアドバイスしています。
※各画像をクリックすると拡大表示されます。
①バスタオル点検例
②化粧品点検例
③雑貨品点検例1
④雑貨品点検例2
現在、当研究所では多くの百貨店様・小売事業者様を対象に、化粧品や健康美容雑貨品の広告表現アドバイスや品質コンサルティングを定期的に行っています。また、同様に下記の関連業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。
[関連業務]
●商品自体の表示点検
必要に応じて家庭用品品質表示法、消費生活用製品安全法、電気用品安全法をふまえたアドバイスも行います。
●社内セミナーの企画・実施
「景品表示法上の表示等管理担当者養成」、「適正な広告表現」をテーマにした社内セミナーを行います。
●店頭表示・表現の点検
専門家を店頭に派遣し、点検します。
▶試験・サービスのご案内/表示・媒体点検(リンク)
https://www.shoukaken.co.jp/medium/
足圧分布測定試験で、足裏への負荷の度合がわかります
火曜日, 2月 26th, 2019最近、底の薄い“ぺたんこ靴”を履いている女性を多く見かけます。
靴売り場を見ても、カジュアルなスタイルだけでなく、フォーマル、ビジネスでも使用できる“ぺたんこ靴”が増えている一方、長時間履いていると、足の裏が痛くなるという声もよく聞きます。調べてみると、“ぺたんこ靴”は、意外にも足の裏に負荷がかかっていることがわかりました。
当研究所では、靴の着用時に足の裏にどれくらいの負荷がかかっているかを「足圧分布測定試験」によって観察することができます。
1.ぺたんこ靴の足圧分布の測定
ぺたんこ靴を履いた時に痛くなると考えられる箇所は、おもに〇部分です。
<試験方法>
●試験対象となるシューズに足型センサーシートを敷き、シューズを履いた(立った)状態で静止、または歩いて、足圧分布の状態を計測します。
●歩行時の計測では、着地時~地面から足を離す時というように、時間経過に沿った測定が可能です。

写真:センサー

写真:着用時のイメージ
<試験結果、考察、見解>
実際にぺたんこ靴を履いて歩行したときの足圧分布(右足)を測定。図2のような足圧分布になりました。
片足6歩分、歩行した際にセンサーに加わった圧力を平均化したものです。
ぺたんこ靴を履いて歩くと、中足骨・踵骨(ショウコツ)(図1〇部分)に荷重がかかっていることがわかります。
■ぺたんこ靴による歩行時の足裏の様子(動画)
圧力が加わった部分は青~緑~黄~赤と色がつきます。また、色が青⇒緑⇒黄⇒赤と変化するほどに圧力が高くなります。
したがって、色がついた面積が比較的狭く、かつ赤色の部分がある場合は局所的に圧力が集中していることを表します。一方、色がついた面積が広く、かつ赤色の部分が認められない場合は、圧力が分散されていると考えられます。
2.スニーカーの足圧分布の測定
次に、一日履いていても足裏が痛くならない底の厚いスニーカーの場合は、どのような足圧分布になるのか、こちらも同様に足圧分布測定試験を行い、観察しました。
<試験結果、考察、見解>
ぺたんこ靴(図2)と比べると、圧力負荷を示す濃い赤色の面積が小さく、また、足裏が靴と接触している面積(色が塗られている部分)が広いことがわかります。つまり、足裏にかかる圧力が分散されているということになります。
※ここで示す面積は、静止時における接触部面積ではなく歩行時における接触部面積です
■スニーカーによる歩行時の足裏の様子(動画)
3.靴による足裏への負荷の違い
今回の観察では、靴底の厚さによって足裏にかかる負荷が全然違うことが検証されました。クッション性のある靴の方が、足裏への負荷が少ないことが今回の測定でわかりました。
ただ、底の厚い靴やクッション性のある靴は、ビジネスやフォーマルなシーンにはふさわしくない場合もあります。その際は、クッション性のある中敷きやインソールを活用することによって、足裏全体に負荷を分散することができます。
4.靴はもちろん、インソール着用時の測定も可能
足圧分布測定試験では、靴の中敷き部分にセンサーを入れ、立脚時または歩行した時の圧力分布、荷重中心・荷重の軌跡を測定します。今回の事例のように、「足裏に負荷がかかりにくい」ことを目で見てわかりやすく検証できるため、大変便利に活用できます。各種の靴、履物類はもちろん、インソール着用時の測定も実施しています。
また、弊社が斡旋する一般モニターが着用して測定を行うなど、より客観的な試験実施も可能です。
測定器は持ち運び可能なので、ご指定の場所で測定することもできます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
▶試験・サービスのご案内/足圧分布測定試験
https://www.shoukaken.co.jp/clothing/organism/footpressure/
洋傘の品質と安全性について、各種試験を実施して評価します。
火曜日, 5月 30th, 2017梅雨をひかえたこの時節、お問い合わせの多い「傘の品質試験」についてご紹介します。このシーズンに特に多いのが、防水性、耐漏水性、傘の骨の強度に関する試験です
1.防水性試験とは?
防水性試験には、「耐水度試験」と「はっ水度試験」の2種類があります。いずれも、傘生地に対する試験です。
●耐水度試験
[試験方法]
①試験機の水槽に水を入れ、試験片(傘生地)を試験機にセットします。
②水槽を上昇させることで、試験片(傘生地)を加圧します。(図1)
③水槽の高さ(水位)分の圧力が生地にかかり、生地から水滴で出てきたポイントを測定します。
※耐水度の試験は、JIS L 1092の7.1(耐水度試験)による。
※JIS L1092:2009より引用
[試験結果の判定]
JUPA基準
・雨傘、晴雨兼用雨傘:250mm以上
・晴雨兼用日傘:150mm以上
●はっ水度試験
[試験方法]
①傘生地に対して、水250mlを25~30秒間、散布します。
②保持具を外して試験片の表側を下向きにして固い物に軽く当てて水滴を落とした後、比較見本と比較し、判定します。
※はっ水度試験は、JIS L 1092の7.2[はっ水度試験(スプレー試験)]による。
※JIS L1092:2009より引用
※図2はJIS L1092:2009の7.2の図4 はっ水度試験装置の一例より引用
※下記試験結果の判定はJIS L1092:2009の7.2の図5 湿潤状態の比較見本より引用
[試験結果の判定]
・湿潤状態の比較見本
2.耐漏水性試験とは?
傘が水漏れしないかどうかを確認する試験です。
[試験方法]
①保持具に傘を取り付け、人工降雨試験装置を降雨量が20±2 mm/hとなるように調整して20分間降雨させます。
②傘の内部に伝水(水漏れ)がないかを目視によって調べます。
③傘の内部の水滴があれば、水滴の数を数えます。
※耐漏水性試験は、JUPA 7.3(耐漏水性)による。
[試験結果の判定]
JUPA基準
・傘の内部に伝水(水漏れ)がないこと。また、傘の内部に水滴がある場合、20滴以下であること。
・耐漏水試験
3.傘の骨の強度試験とは?
[試験方法]
①傘を開いた状態で中棒を水平にして、手元および石突きを固定します。
②傘の内側の方向に親骨の先端部に 6Nの荷重を加え、1分間保持した後、骨各部にき裂、破損、破断などの異常の有無を目視によって調べます。
③骨各部に著しい変形がないことを目視によって調べます。
今回ご紹介したもの以外にも、洋傘に関する各種試験を実施しています。新商品の品質試験をはじめ、お客様からのお申し出に対する確認試験も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
[おもな試験項目] | ||
---|---|---|
洋傘 | 操作性 | |
耐久性 | ||
強度試験 | 中棒の曲げ強度 | |
中棒と手元の取付強度 | ||
中棒と上ろくろの取付強度 | ||
中棒の引張強度 | ||
傘の骨(親骨)の強度 | ||
傘生地 | 防水試験 | 耐水度 |
撥水度 | ||
染色堅ろう度 | 耐光性 | |
水堅牢度 | ||
耐摩擦度 | ||
昇華堅牢度 | ||
引張強度 |
(JUPA基準より抜粋)
靴の安全性と品質をチェックして、事故やトラブルを未然に防止。
火曜日, 12月 20th, 20161.求められる品質基準に適合しているか、各種試験を組み合わせ、総合的に評価
靴に関わる基準には、ISO規格、JIS規格などがあります。当研究所では、これらの基準に則り、靴に関連したさまざまな試験を行い、総合的な品質評価を行っています。
事故やトラブルを防ぐためにも、靴の安全性と品質について、事前に厳しい試験・評価を行い、確認することが必要です。
2.靴の表底のはく離抵抗を評価
靴は、着用を続けているうちに、歩行時に屈曲されやすい部分で表底が剥がれてくることがあります。当研究所では、JIS規格に準じた試験を行い、表底が剥がれやすくないか、確実に接着されているかなどを確認しています。
【試験項目】
表底のはく離抵抗:JIS T 8101:2006安全靴の表底のはく離試験
【試験概要】
表底及び甲革のつま先部分を試験機でつかみ、土踏まず部まで引張って剥がし、踏付け部の範囲での最高のピーク値及び最低のピーク値をそれぞれ4~5点取り、平均値を「はく離強さ」とする。
3.婦人靴のストラップの取付強さを試験
サンダルやパンプスなどの足首や甲部についているストラップが歩行中に切れると、転倒などの事故につながる恐れがあります。歩行時の負荷で容易に切れないかどうか、確認する必要があります。
【試験項目】
・甲バンドの取付強さ※
※バックバンド、ネックバンドにも適用する
【試験概要】
中底を床面に固定してから、着用できる状態に組み立てた試験箇所のバンドにL型金具を差しこみ、そのまま上方に向けて引っ張る。
4.歩行時に負荷のかかりやすいヒールの疲労試験
歩行中に靴本体からヒールが外れたり、ヒール自体が割れたり、折れたりすると、転倒などの危険な事故につながる恐れがあります。特にピンヒールなどの細いヒールでは、歩行時に強い負荷がかかるため、容易に折れることがないか、確認することが大切です。
【試験項目】
・ヒール疲労試験:CEN/TC 309 N 311 履物 ヒールの試験方法(疲労抵抗力)
【試験概要】
疲労試験機に固定したヒールに対し、1回/秒、0.68Jの力で20,000回まで打撃を繰り返し、亀裂や割れ等の異状がないか確認する。
今回ご紹介した以外にも、靴に関連するさまざまな試験を実施しています。ぜひお気軽にご相談ください。
■関連記事
・靴の安全性と品質を確認するため、規格・基準に基づいた試験が必要です。
■取り扱い試験項目
試験項目 | 備考 |
①甲革の厚さ | JIS K 6550 革試験方法 5.1厚さの測定 |
②甲革の引張り強さ | JIS K 6550 革試験方法 5.2引張り強さ及び伸び |
③甲革の引裂き強さ | JIS K 6550 革試験方法 5.3引裂強さ |
④表底の厚さ | JIS S 5050 革靴 6.2表底及びかかと用材料 |
⑤表底の引張り強さ | JIS S 5050 革靴 6.2表底及びかかと用材料 |
⑥つま先部分の接着剥離強さ | JIS S 5050革靴 8.試験方法 |
⑦内張り地の染色堅ろう度(摩擦) (乾燥/湿潤/アルカリ) |
JIS K 6547 革の染色摩擦堅ろう度試験方法(摩擦試験機Ⅰ形) |
⑧ヒールの取付強さ | ISO 22650「履物 -靴の試験法- ヒール取付強さ」 |
⑨表底の耐摩耗性 | JIS K 6264 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム -耐摩擦性の求め方- 第2部:試験方法11.テーバー摩耗試験機 |
⑩ヒールの疲労試験 | CEN/TC 309 N 311 履物 -ヒールの試験方法- 疲労抵抗力(ISO/TC 216) |
⑪表底のゴム硬度 | JIS K 6253 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム -硬さの求め方- 第3部:デュロメータ硬さ(タイプA) |
⑫老化試験 | JIS K 6257 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム -熱老化特性の求め方 促進老化試験 AA-2法 (※長靴はJIS S 5005に基づいて評価) |
色落ち、強度、耐荷重などカバンの品質試験を行います。
水曜日, 8月 24th, 2016
淡い色の衣類を着る機会の多いこの時期、ショルダーバッグなどと摩擦されることによって「衣服にカバンの色が移った」というお申出がよくみられます。今回は、弊社で実施しているカバンの品質試験をご紹介します。
1.色落ち、色移りについての試験
■染色堅ろう度(摩擦)
約200gの荷重で、約20cm間を100往復摩擦する。白布は綿を使用し、乾燥/湿潤の2条件で試験を行う。
(JIS L 0849 摩擦に対する染色堅牢度試験方法の摩擦試験機Ⅱ型による。)
■染色堅ろう度(水)
濡らした綿/ナイロンの白布を試料と合わせたものをプラスチック板で挟み、約4.5kgの荷重をかけながら約38℃の恒温槽で4時間放置する。
(JIS L 0846 水に対する染色堅牢度試験方法による。)
■染色堅ろう度(耐光)
太陽光を想定したキセノンアーク灯を使用し、一定時間照射した試料の変退色を確認する。
(JIS L 0843 キセノンアーク灯に対する染色堅牢度試験方法の第3露光法による。)
2.持ち手、肩ひもの取付強度の試験
■縫い目強度
カバンの底、マチ、側部等の縫製部が中央になるように引張り試験機に取付けて、破れるときの最大荷重を調べる。但し、取付部Aと取付部Bの間は6cmとし、引張速度は100mm/minとする。
(JIS L 1093 繊維製品の縫目強さ試験方法グラブ法に準拠。)
■持ち手・肩ひもの取付強度
持ち手と胴部の縫い合わせ部分を中心に、持ち手と胴部を引張り試験機に取付け、100mm/minの速度で引張った時の破損時の状態及び破損時の最大荷重を調べる。
●試料を採取して行う場合
①カバンから試料を取る
②持ち手と開口部をそれぞれ引張り試験機に取付ける
③100mm/minの速度で、持ち手が抜けるまたは破断するまで引張る
④破損時の状態及び破損時の最大荷重を調べる








■耐荷重試験
試験品におもりを入れて吊るした状態で24時間放置した後、異状の有無を確認する。
3.保冷バッグ・保温バッグの試験
■保冷試験
試験品に4℃に冷やしたペットボトルを入れ、30℃下で放置した時の温度変化を調べる。
また、比較品としてポリエチレン製の袋に入れたものも同様に行う。
■保温試験
試験品に60℃に温めたペットボトルを入れ、5℃下で放置した時の温度変化を調べる。
また、比較品としてポリエチレン製の袋に入れたものも同様に行う。
4.景品バッグにも、事前の品質チェックを
最近は、ファッション雑誌の付属景品としてエコバッグ、トートバッグ、保冷バッグなどが人気で、景品と言えども品質をおろそかにできません。品質トラブルやクレームを避けるためにも、事前に品質試験を行いましょう。
今回ご紹介したカバンの試験をはじめ、ファッション雑貨全般に関するさまざまな試験・検査を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。